東京高等裁判所 昭和31年(ネ)802号 判決
また控訴人は、被控訴人の右三菱殖産への消費寄託は貸金業等の取締に関する法律に違背し無効であつて、被控訴人はこれによつて右会社に消費寄託上の債権を取得するに由がなく、従つて森田もまたその保証による債務を負担するいわれがないと抗争する。そして、なるほど右消費寄託当時に施行せられていた貸金業等の取締に関する法律によれば、その第七条によつて、貸金業者は、預り金をしてはならないことになつていることが明かである。従つて右三菱殖産が、若し控訴人主張のような貸金業の会社であるとすれば、被控訴人から受けた前示寄託金が、右第七条にいう預り金に当り、右法律によつてその受託を禁ぜられているものに当ることは明かである。しかし右規定は、その違反者である貸金業者に、同法第一三条の規定による業務停止、同法第一八条の規定による罰則の適用によつて、その違反行為を禁止することを目的とする取締規定にすぎず、その違反行為の民事上の効力までこれを否定せんとする効力規定ではないものと解するのが相当である。
(薄根 奥野 山下)